gavangavanの日記

書きたいことを書いております。

フリーミアムってなに

twitterの興隆とともにかまびすしく耳にはいってくるのが「フリー」「フリーミアム」という単語。

フリーミアム(Freemium)[1][2]とは、基本的なサービスを無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能について料金を課金する仕組みのビジネスモデルである。「フリーミアム」(Freemium)という単語は、「フリー」(Free、無料)と「プレミアム」(Premium、割増)という、ビジネスモデルの2つの面を組み合わせて作られたかばん語である。フリーミアムのビジネスモデルはWeb 2.0企業の人気を得た[3]。

フリーミアム - Wikipedia

というのがwikipedia jpの定義であるが、たんなるビジネスモデル、とかたづけるわけにもいかないムーブメントとなりつつあるようだ。

上の定義だけなら、Evernoteとかmixiとかニコ動とかdropboxとかネットサービス系のサイトはみなその範疇にはいるわけだけども。

アンダーソンは2009年7月に著書「Free: The Future of a Radical Price」(邦題:FREE <無料>からお金を生みだす新戦略)を出版する際、フリーミアムの戦略に基づき2週間限定で全文をインターネットで無料公開した。ダウンロード数が30万件を記録したにもかかわらず、著書はベストセラーとなっている。

フリーミアム - Wikipedia

FREEの思想というのは(彼に言わせれば思想といってはいけないのかもしれないが)、もっともコアなユーザー層(中心に近いところにいるヘビーユーザ、enthusiastからお金を集め、それをつかってより周辺のユーザに無料でサービスを提供するという仕組みなんだと思うのだけども、それですべての業種が成立するとも思えないし、デジタルコンテンツならではの形態といえるだろうか。

日本語のFREEのサイトでは昨年末まで期間限定でFREEの日本語版をダウンロードできるようになっていたらしい。いまはできないのであるが、本を買えっていうことだよね。オリジナルはいまでもダウンロードできるのだが、日本からアクセスするとgeographically access restrictedといわれてダウンロードできない。無論日本語版を買って欲しいからそういうコントロールをしているということだろう。
(こちらを参照)

これはFREE側の問題というより、日本の出版業界の問題なのかもしれない。ただで原書をくばられたら本が売れるわけないだろう、ということだろうと思う。なにしろ、英語版ではaudio editionというのがitunesで売られていて、こちらは6時間あるフルバージョンがタダ、3時間に短縮したabridged editionがなんと8ドルほどするという一見おかしなことなっている。

これは、まともに聞いたら6時間だが、3時間の短縮版は重要な箇所を要約してピックアップして解説しているので3時間短く同じだけの内容が得られるのだからお得でしょ?というプライスデザインなのだそうだ。説明されればあたりまえにも思えるのだけど、おもしろい発想としかいいようがない。

このような状況でFREEが日本にどう浸透していくのか興味があるところだが、オタキングこと岡田斗司夫さん(@ToshioOkada)が、この考え方で新しい活動をはじめようとしている。詳細はまだよく見えてこないが、彼自身がブログやツイートで「現状のマネー経済はもう限界に達している。フリーの考え方は一種の評価経済だ」と語っているので、新しい経済活動の一つとしてなにかを目指しているように見える。

私もtwitterで彼に直接きいてみたのだが、

現状のマネー経済は臨界点に達してるので、先に次の世界に抜けた方が楽だよRT @gavangavan: 現状の経済システムで周りが動いている中で新しいしかけをローンチしないといけないのでそのオーバーヘッドを乗り越えるためのダイナミクスってのをぜひ聞いてみたいです。

Twitter / ToshioOkada: 現状のマネー経済は臨界点に達してるので、先に次の世界に抜けた ...

そのとおりですRT @gavangavan: @ToshioOkada 現状がかえって次のシステムへの移行をドライブする土壌になっているということですか?>現状のマネー経済は臨界点に達してるので、先に次の世界に抜けた方が楽だよ #otakingex

Twitter / ToshioOkada: そのとおりですRT ...

という返事をいただいた。フリーのサービスモデルでは、周辺にいて95%程度のサービスを得られるだけでいいなら支出0なので、この強烈なインセンティブが次のシステム(フリーの世界?)への脱出をより加速する、ということなのだろう。そのいく先がどういうものなのかは、まだ私にはわからないけれども。