gavangavanの日記

書きたいことを書いております。

オンデマンド再生でコメントのライブなシンクロを

昨日は関東地区TBSでのロケみつ四国一周ブログ旅総集編の放送だった。TBSでは毎週土曜日の深夜(26:43あたりから1時間)に四国編のエピソードを2本セットで放送中である。もう少し早い時間に放送してくれれば楽なのに、という声は関東地区の視聴者からも聞かれる。

ツイッター上ではハッシュタグ#rokemitu で木曜深夜には関西地区MBSの本放送、土曜深夜には関東地区TBSの放送とそれぞれに番組視聴中のユーザーのつぶやきがとびかっている。関西地区にいる私も木曜深夜は参戦しているが(ただし先週は久々の温泉シーンだった(182日ぶり)ので集中力を高めるためにTLを一切遮断して画面に集中させてもらったがw)、数週間ほど前より土曜深夜には関東地区のツイートにも参加している。

関西地区にいながらどうやって関東ロケみつの放送にむかってツイートできるのかといえば、種明かしは簡単で、手元にあるMBS本放送時の録画をタイミングをあわせて再生し、それにむかってツイートをするだけである。TweetBubblesをつかってハッシュタグのTLを追いかけつつ(Mentionsにも注意を払いながら)思ったことをツイートしていくのである。

私は直接TBSの放送を見たことはない。番組冒頭のスタジオシーン(MCの八光、まきちゃん、チャンちゃん)はTBS版オリジナルに差し変えられているので若干MBS版と尺が違うようだが、これまでの経験上CMのタイミングはほぼ同一であるため、いちどあわせてしまえばおわりである。コツといえば、ネタバレになることを避けるため若干手元の再生を遅れ気味にすることであろうか。実際問題、TweetBubblesの表示が適度にディレイを生んでいるはずなので、関東組のツイートの表示と手元の画面の内容が合うように調整すればまず間違いはない。

しょうもないことではあるが、これがやってみると意外といいのである。番組自体が録画物であるから同一のものを見ているわけで当たり前であるが、ネットの向こう側とのシンクロはなかなかきもちのよい視聴体験である。昨夜などは関東組の方と一字一句完全一致したシンクロ率400%ツイートを同時発信してしまったし、なかにはMBS版とTBS版で若干編集が異なっていたり、どちらかでしか見れない告知編があったりという発見もある。

そもそも全国同時ネットの番組であれば、2chの実況などで普通に行われていることであるから、考えてみればさして珍しいことをやっているわけではない。ニコ生やUST中継でも今では日常茶飯事である。生放送、番組が録画であっても配信がリアルタイムであるならば、である。

ニコ動はもともとはオンデマンド動画配信サイトであり、異なるタイミングで再生された動画に視聴者がコメントをつけ加えて行くことで時間を超えてコメントを共有しあうというしかけがウリだ。動画中の再生時間位置にコメントが紐付けされているので、タイミング的な共有感はたしかにえられている。それでも同時に見ていることはほぼないので、ユーザー間で即時的に対話ができるわけではない。対話感覚、ということではニコ生やUST生中継、2chのテレビ実況のほうが上だといえる。

これらは生放送(リアルタイム放送)であるが、上のロケみつの例でいえば必ずしも「生」や「放送」である必要なくて、オンデマンドでも本質は変わらないわけだ。ある決められたタイミングで全員で同じコンテンツを再生し、それを見ながら共有されたチャネルでコメントを打ち合えば同様の体験ができる。これはこれで一つのありうるタイプの視聴体験だろうと思う。個々が自由なタイミングで視聴できるオンデマンドの時代になっても、あえてタイミングをあわせて皆で視聴しましょう、という視聴形式は多分なくならず、かえってイベント感覚が付加された形で広まっていく気がする。

同様の試みはいろいろ行われていて、私の身の回りでも、ビデオニュースのマル激トークオンデマンドでは、有志の呼び掛けで先々週まさに上記の同時視聴イベントが行われた。放送ではなく全員で同じ時間にオンデマンドの動画を呼び出して、ツイッター上でつぶやくのである。他にも岡田斗司夫さん(@ToshioOkada)が公開読書イベントを実施している。事前に指定した本を同じ時間に読み始め、それについてつぶやくというものである。

オンデマンドやタイムシフトで番組を視聴することが一般的になって(すでにかなり一般的だが)いけばいくほど、ある指定された時間を切り取って他者と協調するために使う、という時間の使い方の付加価値が高まっていくように思う。NHK大河ドラマ龍馬伝は日曜日18時からまずBS hiで放送され、20時には地デジGおよび地アナ総合で放送され、さらに22時からはBS1で放送される。それぞれの時間帯ごとに視聴者は「隊」を組んでいてTLは盛り上がっている(今日は孫社長(@masason )は22時の隊で参戦らしい)。このような形で再放送ブロードキャストはさながらしゃべれる映画館のような存在になっていくのではないか。これは、昨今広告収入の低下から制作費の切り詰めが厳しい放送局にとっても、再放送枠の存在価値を高めて拡大させることを可能にし、結果一つ一つの番組コンテンツの製作費密度を高めることによる質の向上を図る戦略に対して、ある一定の裏付けを与えるのではないか。

放送局がトリガーをとる再放送型か、ユーザが主導するオンデマンド同期型か、いずれにしてもコメントシンクロの気持ちよさは、開かれたツイッターインフラとともにより広がっていくと思っている。