gavangavanの日記

書きたいことを書いております。

サロス周期(再掲)

ちょうど日食があったので思い出したが2009年の皆既日食のときにいろいろ調べて書いた自分の記事をmixiから転載してなかったのでのっけとく。当時まさに入院中でクリーンルームのなかであった。ネットは使えたので一日中ネットサーフしていた。いまでは考えられないw。


日食とサロス周期

上記記事を4時間にわかって堪能。なかなか深かった。日食の原理の説明がなされているわけだが、単純な太陽、月、地球の位置関係だけでなく、それが天球上のどこでおこるか、ついで太陽、月と地球の距離関係について(金環食に関連するわけだが)、詳しい説明が書いてある。

1)黄道(天球上の太陽の通り道、1年で一周)と白道(月の通り道、29.5日で一周)の交点2箇所(昇交点と降交点)付近でしか日食は起きない、つまり少なくとも年2回チャンスがあること
2)月と太陽に大きさ(視直径)があるため、交点付近で約1ヶ月の間隔で2回の日食に分裂する可能性のあること
3)18年と11日と約1/3日のサロス周期ごとに似たタイプの日食が起こり、それらはファミリーとかんがえてよいこと
4)サロス周期の1/3の端数を考えると、3周期ごと(54年と1ヶ月と2ないし3日)ごとにほぼ同じ地点で同様の日食がおこることになること
5)サロス周期は月からみると約19朔年(新月から新月までの朔月を12回で1朔年)になるので、日食のファミリー系列には19種類しかないこと
6)19種類のファミリーごとに、世代交代があり、2)の2回に分裂した日食は、先に起こるほうが親(古い世代)で、ひと月後におこるほうが子(新しい世代)といえること(データを眺めると約200年は親子同居状態になるらしい)
7)ある世代の日食は、昇交点日食では北極付近で部分日食としてはじまり、サロス周期ごとにしだいに中緯度に降りてきて中心食(皆既食ないし金環食)に変化して赤道をまたぎ、南極にちかづいて部分日食になって、消滅する(そのまえに次の世代が北極付近で発生する)ということ

ざっと書くとこうなるのだが、なかなか幾何学的に感慨深い。

上の4)の3サロス周期ごとの日食にについて、上記ページの一番下に、ある系列の日食の3サロス周期ごとの発生日時が表になっているのだが、途中まで正確に54年1ヶ月と2日ごとに日食が発生しているのに、10回目と13回目の間が9日ほど伸びている。その後はまた正確に54年1ヶ月と2日ごとである。

なぜだろうとしばし考えてしまったが、日付をみてわかってしまった(にやり)。
10回目 1579/8/22発生
13回目 1633/10/3発生

ちょうど戦国時代から江戸初期にあたるが、思い出してしまったのだ。そう、グレゴリオ暦。それまではユリウス暦をつかっていた。ユリウス暦は西暦が4でわりきれる年はうるう年、ただし100で割り切りれる年はうるう年じゃない、というルールだが、それでも誤差で季節がずれてしまったので、グレゴリオ暦ではさらに、400で割り切れる年はやっぱりうるう年、というルールを加えたのだ。
グレゴリオ暦 - Wikipedia

これだとうるう年の問題だけのようだが、そもそもが季節のずれを修正することが目的なので、グレゴリオ暦にしたときに10日ほど日付をスキップ(進める)したわけである。これをやったのがたしか戦国時代だったな、とおぼえていたので、調べてみたらビンゴ。1582年10月のことであった(おお、本能寺の変の4ヵ月後!)。この日付は上の10回目の3年後なので、ここで10日ほど日付が進んだのである。1日短く9日のずれとなったのは、もちろん1600年のうるう年のせいである。

勉強になったあげく、よい頭の体操であった。