gavangavanの日記

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8/9のロケみつ:さらば親玉!そして2代目D登場。

昨日のOAでついにあの親玉Dが引退・旅から離脱していきました。1時間SPなのかとおもっていたのですがふつうにゆりやんの忍者ピッタリくんがあったので時間的にも30分と通常尺。それだけに絵面的にもあまり盛り上がったとはいえず、実にさらっとした展開の中で親玉は去って行きました。ほとんどのシーンはすでに予告などで流れていたものずばり。とくに隠しネタもなく。あるとすれば2代目DがすでにADとして旅にずっと参加していたということくらいです。

これまで本ブログのエントリでも論じてきたように、親玉Dというキャラはブログ旅の欠くべからざる重要なピースのひとつでした。ブログ旅の本質は旅人と視聴者のあいだのシンパシーであり、それを盛り上げていくのは旅の苛烈さとそれを支配・演出する番組ロケみつゼーレ、そしてそれを画面中で体現するの実体としての親玉Dでした。その大きな存在を今日視聴者は失ってしまったということになります。

思えば初期のころには、コロコロと追加されるルール、だまし、無理難題と、親玉の存在感ときたら強烈なもので、その性格上HTB水曜どうでしょうの藤村Dと比較されることも多かったくらい、その番組企画の秀逸さと演出の親近感でロケみつブログ旅を間違いなく近年の旅系バラエティ番組の双璧にまで押し上げたといっていいでしょう。親玉といえばでたがりDの藤やんよりもはるかに露出は少なく、顔を知る視聴者もすくないほどで(検索すればでてきます、沖縄国際映画祭のOPなどでも映りましたし)、その場にいてカメラを回しているのにその声だけで憎らしさをアピールする独特の存在でした。

序盤は親玉の無茶な旅設定を泣きながらこなす早希ちゃんへの同情が番組の見どころでしたが、中盤にかけて抵抗することを覚えた早希ちゃんVS親玉Dのカメラ前あるいはカメラ後のバトルがしだいに見ものになっていきます。初期にたくさんあった入浴シーン撮影をめぐっての攻防は、次ははたしてOAされるのか?という煽りとともに、OAされたらされたで画面に釘付け、されなかったらされなかったでブツブツと文句を垂れる親玉に口撃をゆるめない早希ちゃんを楽しむ、といった次第。企画上は親玉がボケ(仕掛け、むちゃぶり)で早希ちゃんがツッコミ(不平、ケンカ、ボイコット)。ロケ本番では早希ちゃんがボケ(超絶天然、漢字読めない、1連発、ここぞのところで6!)親玉がツッコミ(放置、説教、愚痴たらたら)。くるくると立場をかえながらの応酬は見応えがあり、まさにいいコンビでした。

西日本後半からは、このやりとり自体が急速に姿を消していきます。転機はなんとなく九州上陸直後(小倉)早々のネルカード発動あたりじゃないかと推測していますが、親玉は煽りはするものの、積極的なルール上の仕掛けをふっかけないようになります。非常に淡々と旅が進むようになり、このころから我々もあれこれといいながら番組視聴への熱意が下がっていくことになりました。西日本ゴール〜ヨーロッパ編スタートへの恒例の騙し拉致企画はひさびさに壮大なスケールで展開されたものの、ヨーロッパ編本編も基本的に西日本後半と同じテイストで進んでしまいます。たとえば、西日本前半までには

  • サイコロ1で全額没収ルール導入に起因する足摺岬の悲劇
  • コメント2万を超えて暴走モード突入(サイコロ2,3でも0.1倍)
  • 2連続1で有馬スタートへ強制送還ルール導入による広島の悲劇(実際にはフルカードも巻き込んで3連続1)
  • フルカード補充茶番イベント(土産物店とクレーンゲーム(クレーンは九州編))

など、ルールによる親玉側からの仕掛けで盛り上がったイベントがたくさんありました。通過ポイントにしても

など、そこへいっただけでは終わらない、そこまでいくだけでも相当の試練、といったきついイベントが目白押しでした。ほんとに達成できるの?そういう視聴者側の「次も見逃せない心理」をうまく突いた企画が番組を大変に盛り上げました。

現在のヨーロッパ編ではこれらに該当するルール・通過ポイントはほとんどありません。ファイブフィンガーズの雪山登山、スイスマッターホルンのパラグライダー(未達成)くらいでしょうか。ルールも変更されたのは昼コメサイコロがトルネードになって最悪でも1/2はもらえるという条件緩和措置、ネルカードが発動されたのはわずかに1回のみ(ドイツの古城ホテルに泊まるための戦術的発動)。

ヨーロッパ編で盛り上がったイベントといえば、イタリアの漁船おじさんやニコラ編、望さん編。これらは番組が仕掛けたのではなく、たまたま出会いがあったからこその盛り上がりであって(それも仕込みである、という向きもあろうかと思いますが、それを言い出しても旅企画のガチ感が損なわれるだけであって、実際に仕込みなのかどうかということよりも、ここで大事なのはあくまでも「番組旅進行上」それが「偶然」の体なのか「仕掛け」なのかということです)、以前のような番組側からの仕掛けイベントではないということが決定的に異なるのです。いまのブログ旅がイマイチ盛り上がりに欠け見どころ感が薄いのはこの違いに起因しているのです。

ヨーロッパ編はOA上に出てこないさまざまなトラブルに近いイベントが相当数起こっていると想像されます(ラジオで早希ちゃん自身による告白もある)。さまざまな大人の事情からOAにいたらないため(おそらくガチでトラブルだから)、それらを削除していくとOA上の旅が多少味気ないものになっていくのは否めないわけです。

そのような情勢を背景としてみていくと、ここに来て親玉Dの離脱はまさに番組の現状を象徴しているようにも見え、また今後を暗示しているようにも思えるのです。これを突破するにはどういう施策がありうるのか。

今回引き継いだ2代目Dはまだ正式な(「親玉」も正式かというとわかりませんが少なくとも公式ではある)呼び名が決まっていません。彼をキャラ立てするには早急になんらかの親玉に変わる呼び名が必要です。それにはこの人物のキャラの方向性が見えてこないといけないのですが、今回のOAではなにがしかの変態性癖なのか←前フリがチラリとあったものの、まだ全貌は見えていません。いまのところ緊張気味に必要最低限のトークをしている状況で、このあと2回ほどロケをすませているはずなので、本性がでてきたときにどういうキャラになっているのか、そこがキーポイントと言えるのですが、それにしてもいきなり放送開始5年目のこの時点にきて背負わされるには重い十字架といえましょう。

場合によっては番組Pに昇進した親玉Pが、要所要所で音声で介入してくることもあるのかもしれません。ネットはつかえるのですからSkypeなどで割り込んでくることはできるわけです。とくにむちゃぶり展開をする場合にはありえることでしょう。こうなるとまるで電波少年の土屋プロデューサー(考えてみれば彼も番組途中でDからPに昇格したのであった)ばりになってきますが、その路線を踏襲するのか親玉。もしくは、スタジオ側に顔を隠して登場して八光らと攻防することになるのかもしれません。

いずれにしても、単純に引退、では旅ブログの沈没は免れません。これは枠の構造上の問題だからです。DVDのメインコンテンツである副音声もその意味がガラリと代わってしまいます(レンタルではなくDVD購入者にとってのメインはあくまでも副音声です。OA映像などは当然録画しているし年末年始SPでかならず再放送されるのですからお金をだして買う価値など0にきまっています)。どのような形で転換をはかるつもりなのか、注目は注目なのですが相当に厳しいイバラの道であろうと想像します。